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合格者の声

PROFILE

氏川こずえさん 美術検定1級取得・アートナビゲーター/ワークショップデザイナー、
「NPO はじめまして、美術館。」代表

--「美術検定」を受験されたきっかけは何でしょうか。

氏川
ある雑貨屋さんでアートナビゲーター検定試験(「美術検定」の前身)のチラシを発見して、そのチラシに掲載されていた例題を解いたら楽しかったので、気軽な気持ちで受けてみようと思いました。その頃、美術館へは気が向いたらという程度で行っていたのですが、なぜか誕生日には美術館に行くという習慣を作っていて(笑)。当時仕事がとても忙しくて、そんな日常の中で誕生日位静かな時間を持ちたいと思って。どちらかというと美術には苦手意識があって、高校の芸術教科でも音楽を選択していたのですが、美術作品を観ることや美術館の雰囲気にとても惹かれていたんですね。美術館に行って空想の世界にひたるのが好きでした。

--お仕事や子育てもあって、受験勉強が大変だったのでは?

氏川
それまで美術を全く勉強したことがなかったので覚えるのは大変でしたが、好奇心の方が強かったですね。仕事の合間に、カフェで息抜きがてら勉強という感じで、楽しかった記憶しかないです。1級受験の時は長男が生まれたばかりだったので、仕事も辞めていました。時間にも余裕があり、タイミング的にもよかったです。自分が好きで手を伸ばしている世界ですし、学ぶことで知識が蓄積されていく楽しさの方が勝っていましたね。

--「美術検定」を取得されてからどのように変わりましたか。NPOも立ち上げていらっしゃいますが。

氏川
「美術検定」って合格して終わり、ではないのがすごいところだと思います。1級合格者であるアートナビゲーターへは、「美術検定」事務局から活動機会の提供が何度かあり、そこから美術に関わる活動がスタートした感じです。合格した翌年に、東京都美術館で開催された「プラド美術館展」でほかのアートナビゲーターと一緒にワークショップを運営しました。その夏にやはり事務局からお声かけいただき、神奈川県立近代美術館でワークショップのお手伝いもしたのです。その頃、当時2歳の長男を美術館に連れていったのですが、その時の作品に対する反応がとても新鮮だったのですね。まだ幼い彼が作品から何かを受け取り、共有しようとしていて、作品の力を間近で感じた瞬間でした。その体験が育児の活力にもつながっていくと実感したのです。この体験から、親子と美術館をつなげる活動をしたいと思い、ワークショップデザイナーの資格も取得して、子どもと美術館をつなぐ「NPO はじめまして、美術館。」を立ち上げました。

--NPOではどんな活動をされているのでしょう?

氏川
年に1~2回、美術館でのマナーを幼稚園で学ぶワークショップや保護者向けにアートと教育の関係のレクチャー、美術館に行ってマナーを学びながら作品を鑑賞するワークショップを開催しています。自分自身が美術館を好きなので、「一緒に美術館を楽しみませんか」、そんな気持ちで続けています。

--NPOの活動では「美術検定」で学んだことは役立っていますか。

氏川
美術館と企画を進める際には、「美術検定」で培った知識が役立っています。美術館の事情を把握できていた方が相手側の信頼度も違いますし、開催している展覧会のジャンルや内容を分かっているとプログラムを作りやすいですね。
美術はすべてに正解があり、と同時に正解がない、と思うのですが、だからこそお互い作品について話し合うことで、その意見を認め合える共感力や自己肯定力がつくと考えています。子どもの頃からそうした経験を重ねるのは、子どもたちの生きる力を育むと思っています。

--今後の活動予定はありますか?

氏川
鎌倉市鏑木清方記念美術館で親子の美術館デビューをサポートするワークショップを行います。そのほか、定期的な造形教室を始めました。その人のありのままを受け入れて認め合うという力を、絵を描いたりものを作ったりして培えたらと思っています。大げさかもしれませんが、美術を通し、皆が認め合い共感し合える過ごしやすい社会が形成される、そのお手伝いができたら幸いです。

--ありがとうございました。今後の活動にも期待しています!

※氏川さんが代表を務める「NPO はじめまして、美術館。」の活動内容は、美術検定オフィシャルブログ でも紹介しています。

取材・文=高橋紀子 「美術検定」事務局