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合格者の声

PROFILE

臼井清さん 美術検定1級取得・アートナビゲーター、コンサルティング会社経営

--「美術検定」を受験されたきっかけは何でしょうか。

臼井
一般社団法人アーツアライブが行なっている、認知症の方とその家族や周囲の方々を対象とした対話型美術鑑賞プログラムに参加したのがきっかけです。もともと仕事でも、40代~60代のプレシニア・シニア世代の方を中心に様々な方と対話をすることが多く、アートも好きだったこともあり、このプログラムに興味を持ちました。実際に見学して、参加されている方々の笑顔がとても印象的で、アートの持つ魅力・可能性に驚き、本プログラム=アートリップを実施運営するアートコンダクターの資格を取得しました。
実際、アートリップで対話を重ねていると、会話を深めるためには美術の知識の引き出しを増やさないと、と思うようになりました。もっと美術史を勉強したいと考えていたところ、自分の美術の知識の到達度が分かる「美術検定」をアーツアライブの代表にご紹介いただき、受験しました。

--「美術検定」で学んだことは、アートリップで活かされていますか?

臼井
たくさんありますよ。「美術検定」に限らず、美術の勉強をしていると、作品や作家についてたくさんの知識が得られますよね。ある時、アートリップを実施していた際、認知症の参加者の方が一言感想をのべられたんです。それは作品の表面を観るだけでは分からなかったのですが、美術の勉強をしていてその作品の背景を知っていたからこそ、「おお!この方の感想コメントは作品の本質なんだ」と気づかされたんです。その方との対話を通して、自分自身その作品の本質が分かったのも、美術を学んでいたからだと思いました。
作品にはいろいろな見方がありますし、知識がなくてももちろん鑑賞できますが、人に美術を伝えようとする時には、美術の知識という引き出しがたくさんあった方が、多角的な角度で作品を理解できるし、より多くの方に対応できると気づきました。

--臼井さんはお仕事で人材育成の研修やセミナーなどをなさっていますが、お仕事でもアートを活用されていらっしゃいますか?

臼井
前職では、商品を開発する際のマーケティングをさんざんやっていました。ただ既存の問題を解決するというロジックだけでは、うまくいかないことが多かったんですよね。何か足りない気がしていました。SEDAモデル、という顧客価値を考えるビジネスのフレームワーク(考え方の枠組み)があるのですが、それは機能的価値のサイエンス(S)、エンジニアリング(E)と、意味的価値のデザイン(D)、アート(A)の4つの価値を分類化しています。その中で、アートは問題を提起する意味的価値として位置づけられています。つまり、アートは「顧客に新しい意味を提案する」要素とされているのです。この考え方が欠けていたのかなぁと。
合格者のサムネイル
アートはまさにロジックで片付かないものですが、“人の心を動かす力”はとてもありますよね。自分も美術鑑賞を通し、心をたくさん動かされました。世の中には、役に立つか立たないかという、ロジックからソリューションという機能的価値を提供するサービス以外にも、好きか嫌いかといった感覚的なもの、アート的な意味的価値を提供するサービスがあってもいいと思うのです。もちろん、ビジネスでは機能的価値だけでも意味的価値だけでもだめで、この両方が備わっていてこそですが、まだまだ足りない意味的価値の提案要素であるアート思考を増やしたいなと思っています。そうしたアートの力を、事業開発や商品企画担当のビジネスパーソンにも伝えられたらと、現在アートフルデザインセミナーや青黒塾といった社会人講座を開催しています。

--今後アートナビゲーターとして、どのようなことをしていきたいですか?

臼井
まだまだ日常生活の中、特に仕事の場面でアートと出会える機会が少ないように思います。セミナーや講座などを通し、ビジネスパーソンをはじめとした方々に、アートと出会う機会を提供していきたいですね。ビジネスシーンでアートの力が活用されていけば、アートを創り出すアーティストの役割も広がっていくと思います。アーティストが作品販売以外でも稼いでいける方法も生み出していけたら、と思っています。

--臼井さんのますますのご活躍に期待が高まります!本日はありがとうございました。

※臼井さんのアートナビゲーターとしての活動については、美術検定ブログでも紹介しています。

取材・文=高橋紀子 「美術検定」実行委員会事務局